円高と株価と時価会計

近頃は、1ドル=110円を割ってくるなど、円高ドル安が進んでいるようです。それで、企業業績が悪化するのではないかなどという報道がなされているわけなのですが、円高ドル安になるとなぜ日本企業の業績が悪化するのでしょうか。それは、企業業績を評価するのに時価会計が使われているからと言ってよいのかもしれません。すなわち、1ドル=120円の時、1ドルの商品を1億個売れば120億円の売上になりますが、1ドル=110円の時、1ドルの商品を1億個売れば110億円の売上になるわけです。ですから、この場合、10円分円高ドル安になったことによって、売上が10億円減った、つまり企業業績が悪化したということになる訳なのです。ですから、円高ドル安になると、企業業績が悪化するということが懸念され、株価が下落するということになるのです。もちろん、これはアメリカなどの海外に製品などを輸出している企業の場合ですが、このような輸出型企業は日本を代表する企業とみなされているため、日本全体の株式市場が低迷するということになってしまう訳なのです。反対に、円安ドル高になっている時には、日本企業の業績が好転するのではないかという予想のもとに、株価が急騰したりすることになります。実際、ちょっと前までは、日経平均が20,000円を超えて、このような株高の傾向にあったわけです。ですから、このような状況を考えてみますと、日経平均が20,000円を超えて日本経済が復調してきたかに見えていたのも、実際に日本経済に力がついてきたというよりも、ただ単に円安ドル高になっていたからなのであると解釈することもできます。ですから、アベノミクスの第3の矢が機能していないなどと言われているのです。

ページトップへ